「007危機一発」という映画があったが、今の若い人はテレビや劇画世代だから、「危機一発」ではなく「危機一髪」が正しいことや、「一発」と言い換えたことのおもしろさが、わからないのではないか。
漢方では「髪は血余(血のあまり)なり」と言う。人間の体が血液でできていること、その血を作ったあまりの栄養で爪や髪の毛が作られるということ、したがって爪や毛髪を見れば、その人の健康状態がわかるということを表現したことばである。
また俗信に「髪の毛を踏むと夏病みしない」とか、「髪を木の根元に埋めると、よく実をならす」というのもあり、毛髪にはある種の力がはたらくことを表している。
生理的にも「毛が逆立つ」とか「総毛立つ」というような表現があり、私たちが怒ったりぞっとする目にあったときの比喩に使われる。
さらに怒りの表現としては「怒髪天を衝く」というのがある。オーバーな表現と思われるかもしれないが、李白の絶句には
白髪三千丈 愁いに縁りて かくのごとし長し
知らず明鏡の裏 いずれの処より 秋霜を得たる
という起句があり、白髪が長く長くのびてしまった。という愁いがつもりつもったからなのだ、と歌い出している。
日本の俳句にも「木の葉髪」という季語がある。
ひびきは美しいが、夏にいためた髪が秋に抜けることを意味するのだから、あまりロマンチックなことばではない。古来から秋に抜け毛はつきものと言えよう。
「髪の長きは七難とかくす」という髪の美をたたえたものから、「黒髪象をもつなぐ」といった、髪の毛のもつ力強さを言い表しているものもある。
こう見て来てもわかるように、毛髪というものは、わたしたちの生活にたいへん密着している。
あんな細かいものが、意外に丈夫であることや、腐りにくいところから永遠性、不滅の命があると信じられ、毛髪には一種の魔力のようなものさえあると、あがめられてきた。
かたみに、あるいは自分の身代わりに髪の一部を切ってあたえることは、洋の東西を問わず見られる。自分の肉体や生命の代用であり、古くはいけにえの代用としても使われたという。
インドのターバンやアラブの女性が黒いの布を頭からすっぽりかぶるというのも、髪のもつ魔力を封じ込めていく意味合いをもつようだ。
日本の七五三も、「髪置の儀」や「袴着の儀」がもとになっている。大人になる通過儀礼にも、毛髪がかかわっているのだ。
髪をたたえたり、おそれたり、道具として利用したり、ことばや慣習の中にさまざまな毛髪の姿を見ることができる。
毛髪を聖とみなすか俗とするかは、地域により、あるいは文化の差異によりちがってくる。仏教の僧侶の場合は、世俗を超脱し、禁欲的な生活を送るしるしとして剃髪するわけだから、毛髪はなまなましい俗世界の象徴だといえる。
しかし、これからどんどん文化が進むと、頭髪についての考え方も変わってくるにちがいない。
アメリカの雑誌が「二十一世紀初めには、男性の80%がかつらをファッションとして用いるようになる」と言っており、また人類は進化とともに体毛がうすくなってきており、今から一万年後の人類には、頭髪が一本も生えてないのではないかという予想も成り立つ。
たしかにサルから類人猿、さらにホモサピエンスへと進化してきた過程で、体毛は逆に退化してきた。人間の体毛は130万本とも150万本ともいわれているが、この数字がゼロに近くなる日が来た時、わたしたちは、ここにあげた数多くのことばを失ってしまうのかと思うと、ちょっぴりさびしい気もするのである。
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参考書籍
「驚異の毛髪革命」 著者:松木康夫
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